月曜日, 1月 17, 2011

また、まだ、ずっとブレーメン(5)

今日は、いきなり重病になって余命宣告された女性のお見舞いに行ってきました。彼女が病院で検査を受け、事の重大さを知るほんの10日前まで、私とは頻繁に会っていました。もし日本一時帰国が無ければ、その2日前までは共に過ごしていたであろう、そんな女性です。病院に行ったときにはすでに、手の施しようが無いほどの“病”に犯されており、彼女は手術も化学療法も拒否、自宅で最期を迎えることを決断したそうです。

こういう人には何という言葉をかければいいのか、日本語でも分かりません。今日はたわいのない話をして帰ってきました。

自分の容態を語る彼女に涙は無く、それほど悲観的にも見えませんでした。宣告を受けてから2週間ほど。その間に悲しみも涙も枯れてしまったのでしょうか、私の前で強がったのでしょうか。

人の上に立ち、説教したりする立場にいる人でした。その威厳というかは未だ失われて居ませんでしたが、この短期間に9キロも痩せてしまったそうです。でもそれほどげっそりとしたようには見えなかったので、私にも不思議と“絶望感”はなく、ただただ(日本から帰って来たという意味で)再会を楽しみました。まだ実感が湧かないのかもしれません。彼女が死を待っている、ということの。

今までさんざんお世話になった人です。私には何が返せますか?何をすべきですか?祈る事だけですか?

私はただ、彼女の穏やかな最期を願ってやみません。でも、私はまだもっと彼女とお話ししたい、もっと彼女との時間が欲しい。まだ、その時じゃない!から。

また会いにいきます。

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