月曜日, 2月 16, 2009

Bremenでの・・・コト(172)すぐ近くにある歴史


ブレーメンに住み始めてもうすぐ半年になろうとしています。が、まだまだ初めてのことばっかりです。週末には初めて駅のホームに降り立つ予定。過去の旅行以来初めて電車を使います。通ったことのない道も(セントラル付近でさえ)いっぱいあります。
さて今日の授業でGesche Gottfriedという女性についての話を聞きました。ブレーメンにかつて存在した女性で、ここで最後に処刑された女性、ということです。ねずみを殺すための毒入りバターを使って、夫、親、子、その他血縁者を15人殺した・・と。でもこの事実が発覚するまで、身の回りの者がどんどん無くなっていく不幸な女性・・ということで「天使」の称号を与えられていたとか。処刑はマルクトプラッツに面した大聖堂(ドーム)の傍で1831年に。その後、人々の記憶にこの悪女を刻むため、ドーム横の石畳には十字架を刻んだ石版が埋め込まれた・・ということです。
こんな石版があったなんて。半年住んでいて知りませんでしたし、ドーム界隈で人が集っている石版を見たことがありません。本当にあるのでしょうか?確かめに行ってきました。
すると・・いやいやありました。確かにドームの横。さほど遠くない横。でもこの横側って一番人通りの少ないところ・・なのです。市場が建つときは人が集いますが、その時はお店の棟(というか車)で石畳の確認どころではないし。
へええ・・・・・。
先生が「今でもこの石版には痰を吐く人がいます」と言っていたけど、まさにその通り、いくつもの「痰」跡が。しかも今しがた吐かれたようなものばかり。ブレーメンで誰かが痰を吐く姿ってあまりお目にかかりません。だから、あからさまに痰が吐かれているのを見ると、誰かが私のために(今日授業でならって、その日に確かめに来るミーハー)吐いておいてくれたのではないか??とか疑いたくなってしまいます。だって、人の往来が激しくない場所で、まだ温かそうな(書いていて気持ち悪い)痰がいくつも・・。

こういうつい先ほどの歴史の跡って現実味があります。石器時代の**を見ても「ふ〜〜ん」としか思わないし、古い建物でも、その当時に思いが馳せられないほど昔は現実味が薄れます。でもこれくらい近い昔の話だと、その歴史の先に自分が立っていることを感じてしまいます。
例えば、江戸時代はピンと来ないけど、明治になった途端に親近感を感じる。新選組の出来事でも、戊辰戦争終結まではなんだかすっごく昔に思えるけど、その隊士の一人齋藤一さんが明治の警視官とかになっているのを思うと、つい最近の出来事やん〜〜といきなり身近に感じてしまったりするのと同じです。(あくまで私の感覚)。

ということで、このGesche Gottfriedがブレーメンでしでかしたこと・・の延長上に私は今いるわけですね。ちなみにねずみを殺すための毒入りバターを売っていたのは、マルクトプラッツに面して立つ薬屋さんだそうです。

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