授業でこんなことを習いました。
Heidemarie Schwermerという女性についてです。彼女はもともと心理学者。ですが、1996年、何を思い立ったか?財産を全部処分して、お金と使わない「交換」での生活を始めたそうです。例えば、屋根の修理をする代わりに、宿泊させてもらう。子どもの面倒を見る代わりに食事を提供してもらう。電車に乗りたい時は、知り合いに電話をかけ、持参認識式チケットの所持者に援助を仰ぐ・・などなど、という生活です。なかなか想像できませんが・。
(この生活についての書籍などを出版しているようですので、今現在無職&収入があるのかないのか不明です)
どうやら日本語にも訳されているようです。
邦題「食費はただ、家賃も0円!お金なしで生きるなんてホントは簡単」。
同時に、ブレーメンにもこういう「交換」をし合っている団体がいる情報を得たので、訪問し参加する事にしました。少しでも自分の生活の助けになれば、と。
TauschWattという組織です。なんでも私のいつも行く教会に事務所を構えています。(今まで知りませんでした。&教会に事務所があり、各集まり等もここで開催されるので即参加を決めました)。どのように機能しているのか紹介しましょう。
現在会員は150人ほど。1996年に立ち上がった組織です。ということは、Heidemarie Schwermerさんとほぼ同時・・ってことですね。毎月会員数は増えていますが、出て行く人もあり、関わった人間は1000人を超えているようです。基本的に分野・領域を超えて誰でも参加できます。つまり自分の得意分野と相手の得意分野を“交換”し“助け合う”ことで機能しています。
この交換に“現金”は動きません。通貨は“ティーデン”という特別な通貨単位。各自の働きの報酬やサービスの価値は“ティーデン”で計算されます。特徴的なのは、“時間計算”がなされるということです。10分が1ティーデン。1時間で6ティーデン。どんな働きをしようとも、その長さで得られるティーデンも決まってきます。
参加者は各自、“時間口座”を開設し、ティーデンの収支をこれで管理します。つまり、2人の人間による相互のサービス交換が不要だという事です。
例えば、ステファンはペトラさんの家の庭仕事を2時間手伝い、12ティーデンを得る。ペトラさんはガービーのためにフットマッサージを1時間して6ティーデンを稼ぐ。ジャニーはヘルマンの依頼でテキストのタイピングを行い、4時間費やし、24ティーデン・・というような具合。
この組織は、各参加者による年会費(実費)と、月々のティーデンの支払いと、現実的な寄付(義務でない)により運営され、毎月の会報誌が発行され、ホームページが機能しています。また、定期的な総会が開かれ、各決定がなされていきます。
さて、実際どんなサービスが受けられるのでしょうか。カテゴリーは実に多岐にわたります。
サービス全般、運転代行、料理、コンピューター関係、各種(語学や教科、趣味)等のレッスン、庭仕事などなど。一人でいくつもの範囲の働きをする事もできます。これら参加者の情報が会報誌に一覧になっており、見つけて個人個人で依頼するのです。
料理を提供する際の材料費、車を出してもらう際のガソリン代、交通費などは実費で、通勤時間などは追加のティーデンで支払う、など双方で事前に話し合い取り決めておきます。また、時間口座に貯蓄・借り入れできる総額も決まっているようで、“富の一方的な蓄え”は不可能。同様に、サービスを一方的に受けるだけ(時間口座から借り入れ“マイナス”になる)“受け身会員”も防ぐシステムになっています。
ただ一つ懸念事項。同じ得意分野で、「仕事が丁寧で遅い」人と、「スピード自慢。でも仕事はそれなりにしっかり」の人では、報酬のティーデンに差がでてきますよね?支払う方も、同じサービスのはずなのに「以前ギーゼラさんに頼んだ時は、1時間で済んだのに、ヘルガさんに頼んだら2時間もかかったわ」なんてこともあり得る訳です。文句はでないのでしょうか?(こういう素人でも思いつく懸念事項はとっくに総会で話し合われているはずなので、きっと上手く機能しているのでしょう。)。
さて、実際に私の「サービス提供告知」が載るのは4月から。どうなっていくでしょうか??電話番号もメルアドも参加者には公開!です。どきどき。変な事にならない事を祈るのみ、です。
同時に、私もメンバーにお願いができる訳です。ただ、小心者?なので、口座のマイナスって気分的に落ち着きません。収入を得たら一度試しに頼んでみたいと思います。いつになるかなあ。